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ハラスメント対策が必要な3つの理由

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義務

厚生労働省で義務づけられています

職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策や、セクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です! 

職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策や、セクシュアルハラスメント対策は事業主の義務であると法律で定められ、2017年よりさらに強化されました。

1980年ごろから、セクシュアルハラスメントが女性の尊厳・人権を侵害する重大な問題であると、社会問題として顕在化したといわれ、1999年4月からは、改正「男女雇用機会均等法」によってセクシュアルハラスメント対策が事業主に義務づけられました。その後、2007年には男性に対するセクハラも対象となり、2014年には同性同士も対象となることが明記されました。
さらに、法改正により平成29年1月1日から【マタハラ防止措置義務が新設】されました。これに伴い、企業には、マタハラ防止のための必要な措置を講ずる義務が課されます。

男女雇用機会均等法 11条
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう 当該労働者からの相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。 2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に 関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする。

第11条の2(抄)
【新設!】事業主は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものに関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

育児・介護休業法 第25条
【新設!】事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業・介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう当該労働者からの相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

セクシュアルハラスメントにおいて事業主が雇用管理上講すべき10項目

厚生労働大臣の指針により10項目が定められており、事業主はこれらを必ず実施しなければなりません。
なお、派遣労働者に対しては、派遣元のみならず、派遣先事業主も措置を講じなければならないことにご注意ください。

1. 事業主の⽅針の明確化及びその周知・啓発
(1) 職場におけるセクシュアルハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントがあってはならない旨の⽅針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
(2) セクシュアルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。

 

2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
(3) 相談窓口をあらかじめ定めること。
(4) 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。 また、広く相談に対応すること。

 

3. 職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
(5) 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(6) 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
(7) 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
(8) 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)

 

4. 1から3までの措置と併せて講ずべき措置
(9) 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
(10) 相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。

※出典 厚生労働省

事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して
雇用管理上講ずべき措置についての指針(平成 29 年1月1日適用)
(平成 28 年厚生労働省告示 312 号)

なお、派遣労働者に対しては、派遣元のみならず、派遣先事業主も措置を講じなければならないことにご注意ください。

育児・介護休業等ハラスメント防止指針

1. マタニティーハラスメントの内容
育児・介護休業等ハラスメントには、上司または同僚から行われる、雇用する労働者に対する制度等の利用に関する言動により就業環境が害されるものがあります。
なお、業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、職場における育児休業等に関するハラスメントには該当しません。
 
※「制度等」とは、育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、育児のための所定労働時間の短縮措置、始業時刻変更等の措置、介護のための所定労働時間の短縮措置になります。

2. マタニティーハラスメントの例

  • 解雇その他不利益な取扱い(育児・介護休業法に規定する解雇その他不利益な取扱い)を示唆するもの
    労働者が、制度等の利用の申出等をしたい旨を上司に相談したこと、制度等の利用の申出等をしたこと又は制度等の利用をしたことにより、上司が当該労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いを示唆すること。
     
  • 制度等の利用の申出等または制度等の利用を阻害するもの
    客観的にみて、言動を受けた労働者の制度等の申出等又は制度等の利用が阻害されるものが該当します。
    (1)労働者が制度等の利用の申出等をしたい旨を上司に相談したところ、上司が労働者に対し、制度等の利用の申出等をしないよう言うこと。
    (2)労働者が制度等の利用の申出等をしたところ、上司が労働者に対し、申出等を取り下げるよう言うこと。
    (3)労働者が制度等の利用の申出等をしたい旨を同僚に伝えたところ、同僚が当該労働者に対し、繰り返し、または継続的に制度等の利用の申出等をしないよう言うこと(労働者がその意に反することを当該上司または同僚に明示しているにもかかわらず、さらに言うことを含みます)。
    (4)労働者が制度等の利用の申出等をしたところ、同僚が当該労働者に対し、繰り返し又は継続的に申出等を撤回または取下げをするよう言うこと(労働者がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、さらに言うことを含みます)。
     
  • 制度等の利用をしたことにより嫌がらせ等をするもの
    客観的にみて、言動を受けた労働者の能力の発揮や継続就業に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じるようなものが該当します。
    労働者が制度等の利用をしたことにより、上司または同僚が労働者に対し、繰り返し、または継続的に嫌がらせ等(嫌がらせ的な言動、業務に従事させないこと、または専ら雑務に従事させることをいいます)をすること(労働者がその意に反することを上司または同僚に明示しているにもかかわらず、さらに言うことを含みます)。

3. 事業者が職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置
事業者は、職場における育児休業等に関するハラスメントを防止するため、雇用管理上次の措置を講じる義務があります。
(1)事業者の方針等の明確化および周知・啓発
(2)相談(苦情を含みます)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
(3)育児休業等ハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
(4)育児休業等ハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置
(5) (1)から(4)までの措置を講ずるに際しては、併せて次の措置を講じなければなりません。

  • 育児休業等ハラスメントに係る相談者・行為者等の情報は相談者・行為者等のプライバシーに属するものであることから、相談への対応または育児休業等ハラスメントに係る事後の対応にあたっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に対して周知すること
  • 労働者が育児休業等ハラスメントに関し相談をしたこと、または事実関係の確認に協力したこと等を理由として、不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

※出典 厚生労働省

リスク

事業主のリスク

企業は社会的制裁という重大なリスクを背負っています

ハラスメントは個人の問題ではありません。
問題の放置は、企業に大きな損害をもたらすことになります。

均等法違反の内容・制裁措置

企業名の公表:会社内にセクハラ・マタハラ等のハラスメントがあり、何ら対策を講じず、厚生労働大臣の指導にも従わなかった場合は、企業名が公表されることになりました。また、紛争が生じた場合は、関係当事者は「調停」などに紛争の解決を申し出ることができます。なお、この規定は派遣先のみならず派遣先の事業主にも適用されます。(改正男女雇用機会均等法30条)

 

過料:厚生労働大臣が事業主である企業に対し報告を求めたにもかかわらず、報告を行わない場合や、虚偽の報告をした場合には20万円以下の過料に処せられることになりました。(改正男女雇用機会均等法33条)

上記に被せ、厚生労働省はマタハラの判断基準について、「原則として妊娠・出産などから1年以内に女性が不利益な取り扱いを受けた場合は直ちに違法と判断すること」を明確に示しています。妊娠・出産を理由に解雇、降格などを迫られるマタハラについて、指導を強化し、是正指導や勧告に従わない企業の企業名を公表することを厚生労働省が公表しました。

 

★「企業名の公表」に対して、それほど大きなリスクを感じないかもしれません。ですが、インターネット社会、スマートフォンの普及により誰でも当たり前に過去の情報を検索し、入手できてしまうのです。一度でも不名誉な公表をされてしまうと、情報は永遠に残ってしまい、企業にとっての損害は計り知れないものになるでしょう。

法的にも該当します

民法では、従業員が「職務の執行につき」第三者に損害を与えた場合、使用者である企業に使用者責任として、加害者である社員と共に損害賠償責任を負うことになります。職場で行なったセクハラである場合、「職務の執行につき」第三者に損害を与えたと不法行為責任を問われるでしょう。(民事715条) なお、職務の執行についての範囲は、派遣先、派遣先の事業主など広い範囲まで適用されます。
企業は従業員に対し、雇用契約に基づく不随義務として、従業員の労働環境を調整し、快適な環境を提供する義務があります。 
従って、ハラスメントを認知したにもかかわらず放置した場合には、この義務を怠ったものとして、債務不履行責任を負う可能性があります(民事415条)。
ハラスメントの事実が確認されても、個人の問題として解決するように促したり秘密に処理したり、または放置してしまった場合、こうした対応は問題をこじらせてしまう可能性があります。
さらに、被害者が退社したから解決したとは限りません。
被害者は退社してからでもセクハラ・マタハラ等で訴えることが出来ます。
ハラスメント等の不法行為による損害賠償の請求権は、損害及び加害者を知った時から3年間有効です
(民法第724条前段)。
なお、ハラスメントにおいて、PTSDや精神疾患が認められた場合、さらに高額な賠償金額になることもあります。
また、労災認定の評価を表す基準(ストレスの強い順に「3」、「2」、「1」の3段階で評価)で、「職場でのいじめや嫌がらせ」が2009年4月から「3」と判断されるようになり、労災として認定されやすくなりました。

賠償額の高額化:ハラスメントの相談で労働相談情報センターなどに持ち込まれる相談件数が急増し、ハラスメントに関する企業への損害賠償請求の要求・交渉、労政事務所・雇用均等室からの是正指導も急増しています。それに伴い、訴訟数も急増の傾向を示すとともに、これまでは300万円程度だった賠償額も、近年では700~1100万円台まで認める判例もあり、賠償額の高額化の兆しが見られてきています。

★後を絶たない職場のセクハラ事件、マタハラに対しての法改正、過労自殺問題など、企業のモラルに注目される事件が増加しています。ハラスメントの相談があったら、事業主は真摯に解決へ取り組まなくてはなりません。行為者への対応や制裁に関しても、公正なルールに基づいて行うことがとても重要です。
騒動になれば、企業の業績は悪化し、イメージや信用の下落は免れなくなるでしょう。

 

責任

企業は労働者への就業環境を整える責任があります

事業主が労働者の就業環境を整え、男女共にいきいきと働き続けることができるよう、法律上ではさまざまな制度が設けられています。
従業員がハラスメント的な言動による不利益を受け、就業環境が悪化してしまった場合、「職場環境配慮義務違反」とされ、従業員の能力発揮の妨げになったとして、会社はその損害を賠償しなければなりません。(債務不履行責任<民法第415条>)。
上記に併せ、被害者がハラスメントの被害で鬱やPTSDになったとして、会社と行為者を法的に訴えるケースが増加しています。ハラスメント対策は企業にとって最重要課題となり、必要性が増していると同時に、被害者加害者の人生をも大きく変えてしまう問題として、企業の就業環境責任の大きさも問われています。
とはいえ実際は、なかなか就業環境の現状を知ることが難しいのが本音ではないのでしょうか。企業は、労働者が安心して通報・相談ができるようハラスメント等の窓口設置をする事で就業環境の整備をし、把握することをお勧めします。

予防策こそが最も大切な対応策!

■ 企業方針の明確化・周知啓発
就業規則や掲示板、ポスターなどで社員に周知徹底することが必要です。加害者には罰則として、法的責任追求・懲戒処分などを取ることを明記すると効果的です。

 

■ 実態の調査・把握
社内の現状をアンケートなどで調査し、社内環境や実態を把握することができます。ハラスメントがあった場合、実態に沿った対策や対応が可能となります。

 

■ 社員研修の実施・個々の理解を促す
1年に1度は社員にハラスメント研修を行い、セクハラ・マタハラ・パワハラとはどういうものなのか正しく理解し、企業方針の周知をさせることが必要です。企業はもちろん、働く環境は個々で整えていくという意識を持たせるのも大切です。

 

■ 相談窓口の設置
社員が安心して通報できる窓口を設ける義務があります。法的問題に発展した場合、企業が訴えられる可能性もあり、公正な判断が求められますので窓口担当相談員が社員であることは好ましくありません。社外へ委託することが適切です。

注意すべき点

  • ハラスメントの相談をした従業員をトラブルメーカー等と非難したり、面白おかしくからかいの種にしたりするのはやめましょう。その行為もハラスメントに該当します。
  • 問題解決後の「二次被害」(セカンド・ハラスメント)も防がなくてはなりません。
    解決後の問題に対して噂を立てるなどの行為が被害者を再び苦しめ、ますます就業を続けることが困難になります。これにより、組織の正当性を疑わせることになります。特に責任のある立場の方は気を付けなくてはなりません。
  • 相談者・行為者のプライバシーを保護すること、相談したことや事実関係確認に協力したこと等を理由に不利益な取り扱いを行ってはならないことなども法律に加えられています。 
    (公益通報者保護法2006年4月施行 厚生労働省)

★就業環境への責任意識(ハラスメントやコンプライアンス)は企業評価にも直結します。しっかりと企業方針を社内外へ発信することで、企業価値の向上に繋がります。

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